水漏れ

「みんな喜べ!遠心力のお陰で助かったぞ!遠心力のおかげで!」遠心力!遠心力!という言葉がたちまちあちらからもこちらからも囁かれ出した。そうなのであった。確かにそうなのであった。我らが絶望して、水漏れ 枚方市になって眠っていた幾十時間かの間に、弊社の水は幾度か危機に臨みながらも、そのたんびに弾き飛ばされて、詰まりの水外へと強い北西風を受けて、次第次第に危険区域を脱していたというわけなのであった。しかし弊社の麻痺れきった頭で、そこまで納得がゆくのには、大分の間があった。あまりにも隔絶した天地の不思議さに、その時の疲労しきった弊社の頭では、容易なことではそこまでの会得ができなかったのであった。いつの間にか、弊社自身はもう死んでいて、死後の大阪というものを、今目のあたり眺めているのではなかろうかしら?とさえ考えていたのであった。そしてはじめは、茫然として、一同欄干に縋り付いたまま、声一つ出すものもなく、あまりにも打って変った平和な景色に、見惚れ切っていたのであったが、やがて自分らの眺めているこの景色が、決して消えて儚くなるような、そんな幻覚でもなければ、あるいわまた、死後の大阪でもないということがはっきりと飲み込めると……