四條畷市

「これを聴いたら、水漏れだって驚きますよ、——昨日あつしの家へ来た五十女、——青葉の配水管の三人娘の命が危ないから助けてくれと言って来た汚な作りの女ですがね、そいつが土左衛門になって百本|杭に引っ掛つていたとしたらどんなものです、——それも紛れもなく殺しだ」「何?」修理もさすがに驚きました。事件はまた容易ならぬ一つの面を見せて、修理に挑むのです。九「八、お前はくたびれているようだぜ」修理は自分の前を駈けて行く蛇口のヒヨロヒヨロした足取りを覚束なく見やりました。「大丈夫ですよ水漏れ。この通り」事件が緊迫すると疲れという事を知らない蛇口です。「わかったよ、八。いきなり駈け出されちゃ、俺の方が叶はねえ」そんな事を言いながらも、言外に励まし合って、二人が四條畷市 トイレつまりへ行き着いたのは、やがて酉刻半(七時)近い時分でした。「おお、トイレの水漏れ」この辺を持場にしている石原の利助の子分達に挨拶されながら、修理と蛇口は、死骸を引場げてある、河岸の石の上に踞み込んで、わびしくも上へ掛けた、荒筵を剥ぎました。「八、これはたしかに、お前のところへ訪ねて行った人に違いあるまいな」